ユリを育てるにはユリに適した土づくりが大切です。少しこだわりユリ農家さんに聞いてみました。一般的な家庭園芸用の培養土(土もピンからキリまである)で大丈夫なようですが病気が少なく丈夫なユリを育てるには一工夫が必要です。
- 家庭用園芸培養土とふくらむ土で球根を植える12月後半
- コーヒーバイオを投入
- 土がアルカリ性のため酢を希釈しph調整
- 発根の状態確認で土を掘り返す
- 双子を撤去
- 葉水で栄養剤の散布(葉の成長を促進するため)
- 竹酢液1000倍液で病害虫対策とph調整
ユリに最適な土の条件をユリ農家さんに教わりました。
良いユリを作る土の条件
- ふかふかの土
- 土のペーハー調整(ph5,8中性から弱酸性が最適)
- 水はけが良く保湿も保てる土
ユリを土づくりから育てるふかふかな土
ユリを育てるのに欠かせない土づくり理想は土が固まらないふかふかな土が根も張りやすく葉の成長にも欠かせません。
ふかふかで固まらない土が空気を含み根も張りやすく良いユリを作る条件とユリ農家さんと花き市場のバイヤーさんに聞きました。
良いユリの条件
*茎が太く堅い(品種にもよる)
*葉に厚みがあり葉脈がしっかりしている
*茎が上太りの逆三角形のユリ
確かに上記の3つのポイントのユリ切り花は花や蕾も大きく花もちも長くゆっくりと咲きます。しかし、なかなか普通のお花屋さんではお目にかかれません。ユリの規格で秀品というランク付けのユリ切り花です。
今回ユリの球根を植えるにあたり生産者さんに聞いてみました。
Q、花首が短く葉に厚みがあり茎を太くするには肥料や栄養でしょうか?
A、いいえ、土づくりです。それと葉を育てること。肥料や栄養と勘違いされるユリ生産者も多いようです。
関連記事:ユリ球根-ユリ農家さんの土
自然農法の土づくりに必要な肥料
まさに自然農法に欠かせない土づくりの肥料なんですね。今回は良い土づくりの条件をInstagramで知った高知の高橋さんに聞いてみました。株式会社りぐるのオーナー高橋さんはユリやショウガの栽培をされている方です。
- バーク堆肥
- ふすま
- コーヒーバイオ
具体的には「バーク堆肥」と「ふすま」と「コーヒーバイオ」のみ。写真のようにバーク堆肥を散布した後、ふすま、コーヒーバイオを散布。耕耘した後、たっぷりの潅水をしてポリで被覆するだけです。後はコーヒーバイオに付着した菌体が有機物を分解しながら、土作りを手伝ってくれます。そうやって出来た土は団粒構造がしっかりと出来て、水はけが良いけど水持ちも良いという相反する条件が出来上がります。
株式会社りぐる土づくり
プロのようにはいかないまでも早々に「コーヒーバイオ」を注文して取りよせてみました。今回は「ふすま」が足りていません。ユリ鉢植えAはバーク素材の土ですから問題ないと思いますが来年に向けて球根を育てようと思います。
ユリを育てる土はph弱酸性から中性
植え付けから2か月で土のペーハーを測ってみました。ペーハー試験紙でみてみます。市販培養土がph6~7の中性値ですのでもう少し酸性よりに調整してあげます。なるべくph5,8に近づけたいと思います。
今回は2種の鉢に性質の異なる土を使用しています。A鉢10鉢(ph試験紙左)、B鉢8号鉢(ph試験紙右)じゃっかんB鉢の普通の土の方がペーハーが高いのが解ります。
A鉢の土 | B鉢の土 |
---|---|
ふくらむ培養土(燃やせる土) | 家庭園芸用の花の培養土 |
・ココヤシ繊維・ピートモス他 | |
後日コーヒーバイオを追肥 | コーヒーバイオの追肥 |
今回ユリの球根を植えるにあたり使用した「ふくらむ培養土」について
ユリの球根を育てるにも水はけや保湿が最適とあり試してみます。何より衛生的にも良い感じ、土を処理する時も燃やせるゴミで出せちゃいます。
- コンパクトな板状で届きます
- 水を吸って膨らみます
- ピートモス、ヤシ殻、バークチップなど
- 強く握っても固まらない
- 水はけが良く保湿性がある
ふくらむ培養土を実際に作ってみました。
土のPH調整をしてみました理想はPH5,8中性より
ややアルカリよりだった土のPH調整をしてみます。上記のようにAとBの土はBの家庭用培養土のほうがphが高いため水やりの際に如雨露に酢を入れ酸性に近い水で水やりしました。
2度ほど続けたらPHが下がり大体理想のph5,8~6に落ち着いています。
ユリの育て5か月で土のPHも安定してきました
ユリを球根から育て5か月から6か月目に入り土のPHも安定してきました。発芽してからA鉢左は双子のユリで一芽を活かします。残念ながら花芽がついていません。
曇りがつづいている現在2022/05/17夏に向け病害虫対策を竹酢液でしてみました。上記のPH結果は竹酢液1000倍液散布後の調整結果です。
2022年秋植えユリ球根のph調整
2022年秋植えユリ球根のph調整の結果画像です。竹酢液1,000倍希釈で調整してあります。ユリ農家さんの土はph5,8に調整されている土です。ふくらむ培養土は若干中性よりなのでコーヒーバイオ少量と液肥1,000倍液を加えて作り、竹酢液でペーハー調整しました。
下の画像はユリ球根植え付け後の画像です。
ユリ農家の土
ふくらむ培養土
ユリ農家さんの土とふくらむ培養土の土です。ペーハー調整前の画像です。土の素材や色が全然、異なります。ユリを育てるテスト調査のため異なる土でユリの成長をみてみます。
ユリの球根はユリ農家さんから取り寄せたオリエンタルユリ2品種の球根が3球づつ植え付けてあります。
ペーハー調整後の敷き藁マルチングした秋植えの鉢
ペーハー調整後に敷き藁でマルチングした2022年の秋植えの鉢です。ユリ農家さんの球根は芽出しされた球根なので成長が早いです。
ユリの球根を植えつけてから2週間で最長30cmを超えてきました。稲わらは石川県産の無農薬です。
稲わらマルチングの効果については関連記事からご覧ください。
竹酢液で土のph調整やアブラムシ害虫対策
竹酢液希釈散布⇒3日後ハイポネックス希釈散布
竹酢液は葉の病害虫よけと土のPH(ペーハー)調整もかねて散布してます。
上記画像の右、B鉢は発芽はA鉢より遅かったですが茎も太く成長しています。ここまで経過をまとめます。
置き肥は与えていません。肥料過多が心配な為です。
- コーヒーバイオが土の中の良性菌を活性する
- 竹酢液も同上で尚且つ病害虫対策
- 有機栽培が良いユリを作る
花芽が付いた方は奇形の花びらでした
上記の画像で左が花芽がついた鉢ですがつぼみが奇形で通常ユリは花びらが6枚ですが、3枚の花びらです。
葉っぱは綺麗に色濃く発色しています。竹酢液の効果もあってかアブラムシは一度つきましたが、竹酢液1,000倍液散布後、発生していません。
花が咲いた後の手入れは葉と球根を育てます
- 種が付かないように花を落とす
- 葉を育てる通常通りの水やり
- 葉は光合成を行い球根に栄養を送る
来年のために葉と球根を育てます。花後も葉は成長し光合成しながら球根へ栄養を届け球根を太らせます。花が終わったら取り除いて種が付かないようにしましょう。
花後は葉を育てていきます。水やりも通常どおりあげてください。球根を来年のために大きくしてください。
ユリや球根の植物は花後にお礼肥で固形肥料や液肥で対応してます。球根を育てましょう。
2021年の鉢植えと木子
2021年冬植えの鉢です。木子、ムカゴ?が左の鉢植えについてます。早いものでもう一年になりそうです。
鉢植え右は双子で発芽し片方の芽を摘んだ鉢植えです。画像左の鉢は濃いピンクの花がでしたが奇形が2輪咲き終えました。来年が楽しみなオリエンタルユリです。
枯れるまで葉を育てます。左の鉢は葉っぱが緑も濃く葉に厚みもあります。しっかりとした葉になりました。
木子はユリのこども
木子とは茎の根元(株元)にこどもが付いたものです。ムカゴは茎や枝に付いたユリのこどもで増やすことが可能です。
花が咲くまで2,3年かかるといわれます。今年は植え替えせず掘り起こしません。来年のためにようすをみます。
関連記事
関連記事:ミミズとコーヒーかす堆肥-バイオで土づくり稲わらマルチングしてみた
本記事は百合を育てるPH調整とは?堆肥や用土のph5,8についてユリ農家さんに教わった事を基にしています。
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